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トラクターのエンジンがかからない原因は、電源の問題、点火システムの問題、燃料ポンプの問題、スパークプラグの問題などが考えられますが、正確な原因を特定するには、詳細な検査を行う必要があります。また、故障の可能性がある部品を交換してみたり、エンジンオイルの交換を行ってみたりするなどの作業も行う必要があります。

ここでは、代表的な例とその対処方法を紹介します。具体的な要因や対処についてはそれぞれの状況によって異なりますので、きちんと調べてから作業を行うか、専門家に相談の上、作業してください。

エンジン起動時にセルが作動しない場合

セルを作動しても、ウンともスンとも言わない場合、以下を確認してください。

ニュートラル状態になっているか確認

ニュートラルの状態でないとエンジンがかからないトラクターの機種もあります。

安全のため、新しめの機種に多いです。一度、レバーがニュートラルになっているか確認し、ニュートラル状態にしてから再度試してみてください。

クラッチを踏みなおす

古いトラクター機種の場合、クラッチを踏むことで必要なスイッチがつくことがあります。

一度クラッチを強く踏み込み、再度エンジンを起動してみてください。

バッテリー・電源の問題

バッテリーの電圧が低下しているか、電源コネクタが取れていたりする可能性があります。接続部分の端子(電源コネクタ)がつながっているか確認してください。つながっていない場合、一度マイナス端子、プラス端子の順番で外し、次にプラス端子を付けてからマイナス端子を付けなおしてください。

もし、接続部分の端子(電源コネクタ)が錆びて電気が通りにくくなっている場合は、やすりなどで磨いてください。

ニュートラル状態でかけ直し、クラッチを踏んでかけ直し、バッテリー端子を付けなおしてもセルモーターが動かない場合、バッテリーが上がっている場合もあります。バッテリーは放置していてもわずかに電力を放電し続けます。メンテナンスで定期的にエンジンをかける必要があるのはこのためです。

もしバッテリーが上がっている場合はバッテリーを充電、もしくは新品に交換してください。

セルは動くがエンジンモーターが動かない場合

グロー(予熱)

ずっと使用していなかった場合や、冬場の寒い時期などには、グロー(予熱)が必要です。

旧タイプのトラクター機種の場合、エンジンと逆方向に回すことでグローできます。

比較的新しいタイプのトラクターは自動でグロー(予熱)するため、この確認は不要です。

燃料がエンジンに回っていない場合① 燃料切れなら「エア抜き」

トラクターは軽油で動くディーゼルエンジンです。ディーゼルエンジンの場合、燃料切れを起こすとエンジン内に空気が入ってしまいます。これを「エアがみ」と言います。

エア抜きの仕方は機種によって異なります。取り扱い説明書を見るか、Youtubeで機種名を検索して指定の方法でエア抜きしてからエンジンを起動してみてください。

燃料がエンジンに回っていない場合② 燃料ポンプの故障・固着

燃料ポンプの故障や固着が原因の場合、エンジンの中を分解して見ないと故障なのか、固着なのか判断できません。一度もやった経験がない場合は難しいため、専門業者に見てもらいましょう。

基本的には固着の場合はポンプを洗浄してから再度組み直すことで解決しますが、故障の場合はパーツの取り換えなどが発生する場合があります。

燃料がエンジンに回っていない場合③ 燃料の劣化

長期間使わないと、燃料タンク内の汚れや錆、燃料の変質など、燃料が劣化している可能性があります。汚れや変質した燃料をすべて取り除き、新しい燃料をタンクに入れ、新しいフィルターを付けて下さい。 また、酸度をテストする燃料酸度計を使用し、燃料の酸度を正しいレベルに調整。同時にエンジンオイルを交換し、新しいエンジンオイルを使用すると良いでしょう。

また、その後の保管方法も見直してください。燃料の保存目安は直射日光を避けて約3か月ほどのため、それ以上放置する場合、劣化します。定期的にエンジンをかけるか、燃料の入れ替えを行うなど、メンテナンスを実施してください。

エンジンオイル漏れ

エンジンオイルレベルが低くなっていないか確認してください。オイル漏れに気付かず長い間放置すると、トラクターのエンジンがかからない場合があります。

巻き込んだ草が、オイルシールを圧迫して変形するとオイル漏れにつながります。ロータリー軸周りのオイル漏れは、無理せず専門業者に依頼することをおすすめします。

エンジンはかかったけど黒い排気ガスが出る

黒い排気ガスが出るようであれば、エアクリーナーの汚れが原因かもしれません。エンジンのシリンダ内に空気を送り込む際、ホコリやゴミを除去できずに不調の原因となっている場合があります。エアクリーナーの汚れを拭き取ったり、汚れを吹き飛ばしたり、除去作業を行ってください。 汚れがひどい場合は、水洗いなどを行ってから洗剤で洗浄するか、専用の清掃剤を使用して洗浄します。

また、エアクリーナー(ストレーナー)の清掃後にはエア抜きが必要ですので、エア抜きしてからエンジンを起動してみてください。

場合によっては、古いエアクリーナーを交換して新しいエアクリーナーを装着する必要があります。 また、エアクリーナー汚れが原因でエンジンがかからないときは、内部の機関部品にオイルが不足している可能性があります。その場合は、オイルの入れ替えなどを行う必要があります。

エンジンはかかったけどマフラーから白煙が出る

エンジンオイルの量が少ないか、エンジンオイルが汚れているか、エンジンオイルフィルタが詰まっている可能性があります。エンジンオイルを補充するか、汚れていれば交換、フィルタが詰まっている場合は取扱説明書で確認して清掃・交換してください。エンジンオイルフィルタの交換は、必ずエンジンが冷えているときに行ってください。

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